ここでは、中国進出支援の相談先について、それぞれのメリット・デメリットをご紹介します。
弁護士や税理士といった士業の専門家が中国進出をサポートしてくれる場合があります。士業の専門家は、主に、中国での法人設立や、現地の法律・規則に基づいた届出や許認可申請手続き、国際税務や会計処理、中国企業との契約書作成・リーガルチェック、中国での商標・特許申請、現地の労働法に則った現地スタッフの給与設計や雇用契約書作成、就業規則作成などをサポートしてくれます。
日本とは文化の違う中国へ進出する際は、国際税務・労務・法務についてよく確認することが大切です。中国でうまく販路を拡大できたとしても、国際税務・労務・法務をおろそかにしていては、トラブルが発生する可能性が高いからです。
弁護士や税理士など士業の専門家に中国進出支援を依頼するメリットは、予防法務の観点からトラブル発生を回避できることです。特に弁護士なら、万が一訴訟や仲裁になった場合も、現地の弁護士を雇う費用、翻訳コストを抑え、迅速かつ適切な対応で解決へ導いてくれます。ただし、事務所によってはマーケティングや販路拡大のための戦略立案、販売代行などのサポートは注力していない場合があり、注意が必要です。
国内外から製品を調達・販売し、日本のモノづくりを支えている商社。海外に構築しているネットワークや販路を活かし、販路拡大・販売代行や商材・設備の納入などを中心にサポートしてくれます。他にも、実際に取引しているバイヤーから中国のトレンドや価格帯など生の声をフィードバックしてくれたり、市場調査、中国視察のアレンジ、商談会や展示会の開催、販売に伴う書類の作成などにも幅広く対応しています。
自社が構築している販売ネットワークを活用して、企業の中国進出をサポートしてくれる商社。実際に海外で取引を行い、現地事情にも通じた貿易手続きのプロが支援してくれるため、取引先の信用リスクやカントリーリスクを低減し、安心して事業展開をすることができます。
一方で、商社が間に入ることで、少なからず中間マージンが発生します。少しでもコストを抑えて事業を展開したい企業にとってはデメリットでしょう。また、基本的に商社は自社にメリットがある商品を扱うため、売上が小さい・少量多品種で手間がかかる・クレームが発生しやすいと判断した商品などは取引してくれない可能性があります。
中国進出にあたっては、契約書類や関連資料はもちろん、自社のサービス・商品をPRするWebサイトやクリエイティブなども現地仕様にしなくてはなりません。その際大切なのは、ただ現地の言葉に翻訳するだけでなく、ターゲットへ的確に訴求できるよう、ローカライズ化し、より「刺さる」表現を作り出す「トランスクリエイション」を行うことです。翻訳・通訳の専門会社なら、訴求対象者に適切にアプローチできる翻訳を行ってくれるでしょう。また企業によっては、対象国の選定アドバイスやマーケット調査、海外向けWebサイトの制作、パートナー企業とのマッチング、PR、現地法人の立ち上げ、立ち上げ後のサポート、社員への語学研修、会議やイベントでの司会などを行ってくれるところもあります。
最近では翻訳ソフトやGoogle翻訳といった自動翻訳などが普及しており、手軽に他言語翻訳を行うことも可能ですが、ビジネスで利用するWebサイトで翻訳の質を軽視してしまうと、知らず自社の信用を損ねたり、ビジネスチャンスを損失したり、誤訳によるトラブルが発生したり、場合によってはリーガルリスクにまで発展する恐れがあります。 翻訳会社に依頼するメリットは、こうしたリスクを抑え、適切な翻訳を行える・安心してビジネスを展開できる点です。デメリットは、自動翻訳機よりもコストや時間がかかること。また、中には一回翻訳が終わればそれで関係が終了という企業もあるので、継続的に支援してくれる企業を選ぶのがおすすめです。
事業コンサルは、中国進出全般に関するコンサルティングを提供してくれます。進出前のリサーチから戦略立案、許認可・法規対策 、PR代行や販路マッチング、越境EC・現地出店支援、法人設立・合弁・M&A、トラブル対応代行、現地での人材獲得など、幅広い業務に対応しているのが特徴です。業者によって、特定地域に特化している・中小企業の支援を得意としている・マーケティング専門・投資専門など、さまざまな得意分野があります。
実務経験が豊富なコンサルティング会社に依頼するメリットは、複雑な手続きを自社で行うコストや時間を削減し、トラブルや失敗のリスクを抑えて、スムーズな進出が行える点です。また、現地の情報や生の声を提供し、第三者の視点から事業・商品の強みや特徴を活かした販売戦略を立案してくれる・現地のネットワークを活用して販路拡大をサポートしてくれる点も魅力でしょう。
デメリットは、やはりコストがかかる点です。特に中小企業にとっては負担が大きいため、海外進出の助成金の活用などを検討するのがおすすめです。また、中には法令に違反するような悪徳業者や、ノウハウや実績がない業者も存在するため、業者選びは慎重に行った方が良いでしょう。
こちらのページでは、編集部が厳選した優良な中国進出サポート企業をご紹介しています。ぜひチェックしてみて下さい。
中国進出支援の相談先について、4つのパターンをご紹介しました。大切なのは、自社でどんなサポートを必要としているのかを明確にすることです。初めての海外進出で「何が必要なのかも分からない…」という企業の方は、まずコンサルティング会社に相談してみるのも一つの手段でしょう。実績やサービス内容などをよく確認しながら、自社に合ったサポート会社を選んで下さい。
中国進出支援に特化しているコンサルタントファームは検索結果で調査できた限りでは全部で46社。
46社の数ある中国進出コンサルファームの内、日本国内に相談窓口を置き、なおかつ中国現地にも拠点を持っている、
いわば‟中国の今を知る“心強いパートナー候補となりうる会社は11社でした。
さらに、11社をカテゴライズしていくと、2022年9月現在では3つの進出市場の支援がにぎわっているようです。
まずは、それぞれのメリット・デメリットをご紹介します。
中国版Tiktokなどにおいて、ブランド公式アカウントや動画コンテンツ内での公式ECショップ出店、独自の動画コンテンツ発信で知名度を高めるとともに、「ライブコマース」による販売拡大 (8000億円上振れ市場)。
新しい販売チャネルで中国での
製品知名度を上げ、戦略的に中国での販路拡大をしたい中堅企業
中国国内ECプラットフォームにおいて高いシェア率を誇るタオバオや、97.4兆円以上の市場を持つTmallなど、大手ECモールへの出店をサポートし、販売拡大を実現してくれます。
市場で埋もれない独自性のある
製品を取り扱う、広範戦・遠隔戦で中国の市場を席捲したい企業
飲食店や物販店に限らず、IT・金融商品やサロンなど、自社サービスを現地で提供するために法人を立ち上げたり、実店舗を出店したりして事業展開を行う企業をサポートしてくれます。
物販以外のサービス拡大を現地で腰を据えて、中国現地密着型で
着実に事業拡大したい大手企業
【上記のカテゴリーでそれぞれ選定した会社とその基準】
2022年6月22日時点、「中国進出支援」でGoogle検索して表示されたコンサルティングファーム全て(46社)を調査。その中で日本にも中国にも拠点を持ち、日本人・中国人コンサルが在籍する中国進出支援に対応しているコンサルを選定(11社)。その中から中国進出支援範囲が広いコンサルファームを各カテゴリーに振り分けました。
・ポリスター:支援項目37つ
・パル:支援項目21つ
・トータルソリューション:支援項目21つ