日本企業の海外進出先としてまず考えられるのは、距離が近い中国ではないでしょうか。ここでは小売業界が中国に進出するメリットや課題について、中国進出支援として解説していきます。
小売業界の中国市場は、中国新聞社による2022年12月時点での中国小売業景気指数で、11月と比較して1.1%とわずかに低下したと報告されました(※1)。
小売業界は新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けた業界であることから閉店や休業を余儀なくされた店舗も少なくありません。中国の広い地域でそのような現象が起こったため、中国小売業景気指数が低下したと考えられています。しかし一方で、日本貿易振興機構(ジェトロ)が2022年9月に行った報告によると、2021年度の100強企業の総販売額は、2020年度に比べて14.1%増加したとのことです(※2)。
ご紹介した2つのデータから、小さな店舗は経営状況が厳しいものの、販売力のある小売店では経営が上昇企業にあると考えられ、もし今後感染症の拡大が落ち着いてくれば、規模の小さな店舗でも拡大のチャンスはあるのではないでしょうか。
それでは小売業界が中国に進出するメリットについて見ていきましょう。
中国は日本に比べてEC化が進んでいる国であり、中国進出を行うにあたって、日本でも活用できるEC販売の知識や技術、ノウハウなどが得られる可能性があります。また中国は欧米に比べて経済成長率が高いことから、投資に対する売上高増加比率が高くなると期待できることもメリットです。
また中国進出によって商品の大量仕入れが必要となれば、値引きにより国内で販売する製品の仕入額が抑えられるようになる可能性もあります。小売業界は国際化が進んでいないと言われていますが、中国に進出するメリットはさまざまです。
小売業界で中国進出をする際の課題は、マーケティング手法が日本とは異なることです。中国では日本よりもデジタルメディアの力が強く、LINEに近い「WeChat」がマーケティングに広く活用されています。そのため大規模なイベントを開催し、会場にてWeChatへの登録に誘導する企業も少なくありません。
中国では全体的にデジタル主体のマーケティングが主流となっており、中でもモバイル経由が高い比率を占めています。日本の小売業者が中国進出を行うなら、中国のデジタルマーケティング手法を理解することが大切です。
日本の小売業界では、中国に進出して成功を収めた企業も存在します。たとえば百貨店の「大丸」は、1905年に天津へ、1938年に南京へ、1941年に済南に店舗を出店しました(※3)。
また枕・寝具の販売を行う「まくら株式会社」は、「王様の夢枕」や「王様の抱き枕」など枕に特化した事業を中国で展開した結果、中国のECモールである「天猫国際」での出店からわずか4ヶ月で6,000万円の売上をあげたそうです(※4)。
現在の中国では感染症の影響もあり、規模の小さな企業は少々厳しい状況のようです。しかし大手販売店は売上を伸ばしており、今後の情勢次第で小売業界が拡大に転じる可能性は高いと考えられます。
小売業界が中国に進出して成功を収めるには、日本とのマーケティング手法の違いを把握することがポイントです。中国進出にて成功をつかんだ日本企業もあり、マーケティング手法を間違えなければ成功のチャンスは多いのではないでしょうか。
中国進出支援に特化しているコンサルタントファームは検索結果で調査できた限りでは全部で46社。
46社の数ある中国進出コンサルファームの内、日本国内に相談窓口を置き、なおかつ中国現地にも拠点を持っている、
いわば‟中国の今を知る“心強いパートナー候補となりうる会社は11社でした。
さらに、11社をカテゴライズしていくと、2022年9月現在では3つの進出市場の支援がにぎわっているようです。
まずは、それぞれのメリット・デメリットをご紹介します。
中国版Tiktokなどにおいて、ブランド公式アカウントや動画コンテンツ内での公式ECショップ出店、独自の動画コンテンツ発信で知名度を高めるとともに、「ライブコマース」による販売拡大 (8000億円上振れ市場)。
新しい販売チャネルで中国での
製品知名度を上げ、戦略的に中国での販路拡大をしたい中堅企業
中国国内ECプラットフォームにおいて高いシェア率を誇るタオバオや、97.4兆円以上の市場を持つTmallなど、大手ECモールへの出店をサポートし、販売拡大を実現してくれます。
市場で埋もれない独自性のある
製品を取り扱う、広範戦・遠隔戦で中国の市場を席捲したい企業
飲食店や物販店に限らず、IT・金融商品やサロンなど、自社サービスを現地で提供するために法人を立ち上げたり、実店舗を出店したりして事業展開を行う企業をサポートしてくれます。
物販以外のサービス拡大を現地で腰を据えて、中国現地密着型で
着実に事業拡大したい大手企業
【上記のカテゴリーでそれぞれ選定した会社とその基準】
2022年6月22日時点、「中国進出支援」でGoogle検索して表示されたコンサルティングファーム全て(46社)を調査。その中で日本にも中国にも拠点を持ち、日本人・中国人コンサルが在籍する中国進出支援に対応しているコンサルを選定(11社)。その中から中国進出支援範囲が広いコンサルファームを各カテゴリーに振り分けました。
・ポリスター:支援項目37つ
・パル:支援項目21つ
・トータルソリューション:支援項目21つ