中国のアニメ市場は規模が大きく、中国国産とともに日本のアニメも人気を博しています。さらにこれから拡大していくとも考えられるため、日本のアニメ業界にとっては魅力的な進出地です。そこで日本のアニメ業界が中国進出をするメリットと課題について解説します。
中国のアニメ業界の市場は、2,000億元を超えた市場(※1)になっているとの報告があるほど規模が大きくなっています。2022年度においては国家広播電視総局における国産アニメ制作本数は465本(※1)となり、中国の衛星放送では全6チャンネル(※1)の専門チャンネルがあります。衛星チャンネルで放送されたテレビ番組の時間は2022年度で合計50.8万時間(※1)でしたが、そのうちアニメ放送が占めた時間は4.0万時間(※1)でした。
中国のアニメは海外進出も進んでおり、今後さらに市場は拡大していくものと考えられています。日本で長年人気を博している「Fate/stay night」シリーズも中国で人気が高まっており(※2)、日本のアニメも中国に受け要られているのが現状です。
※2「Fate/stay night」の中国での配信は2022年ではなく2006年のことです。
日本のアニメ業界が中国に進出するメリットは、「日本のアニメ」がブランド化されていて、さらにデザインに多様性や繊細さがあり、中国市場では真似しにくいものであることです。
日本のアニメは中国だけでなく、世界各国から支持されています。2009年の調査結果では、世界112の国・地域(※)で日本のアニメが展開されていたことがわかっており、人口比率で考えると全世界の87.2%をカバーしていることになりました。
そのように日本のアニメは海外から広く認知されており、「アニメ=日本」との図式ができあがっていることから、中国でのファン獲得も難しくないと考えられます。日本ならではの繊細な世界観がある日本のアニメは、中国でもすでに認知度が高く、固定ファンが多いことから中国進出において成功しやすいはずです。
日本のアニメ業界が中国に進出する際の課題として、中国当局による表現の規制が課題となります。日本に比べると規制がかなり厳しいため、日本国内で放送可能であっても中国では不可となることがあるかもしれません。2021年からはインターネットで配信される海外アニメに対しても、検閲を通過して許可が出されたものでなければ配信できないようになりました(※)。
また中国では海外アニメの放送時間についても規制が敷かれており、中国国内アニメの方が放送で優遇されています。衛星チャンネルでの30分以上の中国アニメの放送が義務付けられたり、ゴールデンタイムの海外アニメ放送禁止などの措置がとられており、日本のアニメ業界が中国に進出する際にはその規制の厳しさが課題となるはずです。
中国で大成功をおさめた日本のアニメといえば、「スラムダンク」です。スラムダンクは2023年4月に映画が公開されてから、約2週間で6億元(約120億円)の興行収入を達成しました。実は漫画版が人気を得ていた90年代後半から2000年代にかけても、スラムダンクは中国で放送されていました。その時代にファンであった中国の方が、今回の映画における人気の火付け役となったようです。中国では映画館だけでなく、書店でも特設コーナーが設置されるなどの人気ぶりを博しました。
中国ではアニメ業界が盛り上がりを見せています。世界的に人気のある日本のアニメも注目されており、中国進出において成功する可能性は高いはずです。
ただし中国には当局による独自の規制があります。日本のアニメ業界が中国に進出するなら、中国進出支援のサポートを受けて中国特有の規制に対応しなければなりません。
中国進出支援に特化しているコンサルタントファームは検索結果で調査できた限りでは全部で46社。
46社の数ある中国進出コンサルファームの内、日本国内に相談窓口を置き、なおかつ中国現地にも拠点を持っている、
いわば‟中国の今を知る“心強いパートナー候補となりうる会社は11社でした。
さらに、11社をカテゴライズしていくと、2022年9月現在では3つの進出市場の支援がにぎわっているようです。
まずは、それぞれのメリット・デメリットをご紹介します。
中国版Tiktokなどにおいて、ブランド公式アカウントや動画コンテンツ内での公式ECショップ出店、独自の動画コンテンツ発信で知名度を高めるとともに、「ライブコマース」による販売拡大 (8000億円上振れ市場)。
新しい販売チャネルで中国での
製品知名度を上げ、戦略的に中国での販路拡大をしたい中堅企業
中国国内ECプラットフォームにおいて高いシェア率を誇るタオバオや、97.4兆円以上の市場を持つTmallなど、大手ECモールへの出店をサポートし、販売拡大を実現してくれます。
市場で埋もれない独自性のある
製品を取り扱う、広範戦・遠隔戦で中国の市場を席捲したい企業
飲食店や物販店に限らず、IT・金融商品やサロンなど、自社サービスを現地で提供するために法人を立ち上げたり、実店舗を出店したりして事業展開を行う企業をサポートしてくれます。
物販以外のサービス拡大を現地で腰を据えて、中国現地密着型で
着実に事業拡大したい大手企業
【上記のカテゴリーでそれぞれ選定した会社とその基準】
2022年6月22日時点、「中国進出支援」でGoogle検索して表示されたコンサルティングファーム全て(46社)を調査。その中で日本にも中国にも拠点を持ち、日本人・中国人コンサルが在籍する中国進出支援に対応しているコンサルを選定(11社)。その中から中国進出支援範囲が広いコンサルファームを各カテゴリーに振り分けました。
・ポリスター:支援項目37つ
・パル:支援項目21つ
・トータルソリューション:支援項目21つ