中国のベビー用品が大きなマーケットとなっています。その背景には親の年代による考え方や、収入が大きく関わっています。そこで、日本のベビー用品業界が中国に進出するにはどのようなことが必要であるか、課題やメリットを解説します。
近年、中国の出生率は低下しています。「一人っ子政策」の影響で出生率が下がり、2022年の出生数は1950年以降で最低となる956万人に落ち込みました(※1)。
しかし、中国のメディア報道によれば、一人当たりの子どもにかかる費用は過去最高水準を更新しています。その結果、ベビー用品市場は2024年に約140兆円に達する可能性が高いとされています(※1)。
中国のベビー用品業界が拡大している理由の一つは、一人当たりの可処分所得が上昇していることです。特に1990年代に生まれた世代、通称「90後」の親は、教育レベルの向上に伴い、質の良い子育てを重視するようになりました。そこで衣料、食品、住宅、教育など、多くの面で子供に対して投資するようなったのです。(※2)。
以上のことから、中国のベビー用品業界を急速に拡大させています。日本の事業者にとっても、多くのビジネスチャンスがあるといえます。
より安全なものを与えてあげたい、という親の考えは中国でも変わりません。中国において日本製の商品は安全性が高いと考えられています。実際、日本製のベビーフードは中国で支持されており、今後も大きな需要があると考えられています。
また、ベビーフードの中国進出成功と、中国のベビー用品業界拡大から、おむつや衣類といった商品も、日本製は需要があると推測できるでしょう。シェア拡大と売上向上が期待できることから、日本企業の中国進出はメリットが大きいといえます。
日本のベビー用品業界が中国市場に進出する際には、いくつかの課題があります。まず、中国の消費者は口コミを非常に重視しています。従って、品質とサービスに一貫性を持たせ、クオリティをキープし続けることが大切です。
また、ECサイトを通じた購入が拡大していることもあり、オンラインプラットフォームでの販売力も強化する必要があります。
さらに、ローカライズの問題も考えなければいけません。中国独自の文化や消費者ニーズに適応するための戦略が求められます。
日本のベビー用品業界で、中国進出を成功させた企業の事例をご紹介します。赤ちゃん本舗を展開する株式会社 赤ちゃん本舗は、2017年に中国の越境ECモール「京東全球購(JD Worldwide)」に出店したことを発表しました(※1)。
また、トイザらスを展開する日本トイザらス株式会社は、2012時点で中国の21都市、合計30店舗営業し、ブランドの拡大に成功しています。
中国のベビー用品業界が拡大している中、日本企業の中国進出はメリットが大きいといえます。また、ベビーフードをはじめ日本の製品は信頼されているため、中国市場に参入しやすいと考えられます。
成功するためには、適切な販売戦略と高品質の商品提供が求められます。
中国進出支援に特化しているコンサルタントファームは検索結果で調査できた限りでは全部で46社。
46社の数ある中国進出コンサルファームの内、日本国内に相談窓口を置き、なおかつ中国現地にも拠点を持っている、
いわば‟中国の今を知る“心強いパートナー候補となりうる会社は11社でした。
さらに、11社をカテゴライズしていくと、2022年9月現在では3つの進出市場の支援がにぎわっているようです。
まずは、それぞれのメリット・デメリットをご紹介します。
中国版Tiktokなどにおいて、ブランド公式アカウントや動画コンテンツ内での公式ECショップ出店、独自の動画コンテンツ発信で知名度を高めるとともに、「ライブコマース」による販売拡大 (8000億円上振れ市場)。
新しい販売チャネルで中国での
製品知名度を上げ、戦略的に中国での販路拡大をしたい中堅企業
中国国内ECプラットフォームにおいて高いシェア率を誇るタオバオや、97.4兆円以上の市場を持つTmallなど、大手ECモールへの出店をサポートし、販売拡大を実現してくれます。
市場で埋もれない独自性のある
製品を取り扱う、広範戦・遠隔戦で中国の市場を席捲したい企業
飲食店や物販店に限らず、IT・金融商品やサロンなど、自社サービスを現地で提供するために法人を立ち上げたり、実店舗を出店したりして事業展開を行う企業をサポートしてくれます。
物販以外のサービス拡大を現地で腰を据えて、中国現地密着型で
着実に事業拡大したい大手企業
【上記のカテゴリーでそれぞれ選定した会社とその基準】
2022年6月22日時点、「中国進出支援」でGoogle検索して表示されたコンサルティングファーム全て(46社)を調査。その中で日本にも中国にも拠点を持ち、日本人・中国人コンサルが在籍する中国進出支援に対応しているコンサルを選定(11社)。その中から中国進出支援範囲が広いコンサルファームを各カテゴリーに振り分けました。
・ポリスター:支援項目37つ
・パル:支援項目21つ
・トータルソリューション:支援項目21つ