かつては自転車大国として知られていた中国ですが、改革開放政策後は富裕層が乗る乗り物として見られていました。しかし、近年自転車需要が高まり、中国の自転車ブームが復活してきています。そこで本記事では、日本の自転車業界が中国進出に向けてどのようなことが必要か、課題やメリットなども解説しています。
コロナ禍が中国で自転車利用の増加に影響を与えているとされています。2022年前半は新型コロナウイルスの影響で、いくつかの都市で公共交通がストップし、多くの人々が手頃な価格の自転車に注目しました。その結果、自転車は再び主要な移動手段となり、一時はシェア自転車を見つけるのが難しくなるほどでした(※1)。
サイクリングをスポーツとして楽しむ人々も増え、世界的なアウトドアブームにも乗っかっています。中国の検索エンジン「Baidu」によれば、2022年3月以降で「サイクリング」に関する検索が343%も増加。また、中国自転車協会によると、1億人以上が定期的に自転車に乗っており、約1,000万人がサイクリング活動に参加しているそうです(※1)。
さらに、中国各地で自転車専用レーンが拡充されており、これが自転車の人気を後押ししています(※1)。
しかし、2022年の後半はコロナウイルスによる都市封鎖の影響で、一部の部品メーカーの生産が遅延。その結果、自転車の総生産量が減少しました。需要に対し供給が追いつかない状態が続いたようです(※2)。
まずメリットとして考えられるのは、中国の圧倒的な市場規模です。13億人を超える人口を持つ中国(※1)は、単純に比較しても日本のマーケットの10倍以上の規模を有しています。さらに世界で第二位のGDPを持つ経済力もあります。
以上のことから、自転車の供給不足が続く中国に日本企業が進出することにより、シェアの拡大と売上増加が期待できるでしょう。
課題の一つとして、中国と日本では消費者のニーズや好みが異なる場合があり、理解した上で製品を適応させる必要があります。また、中国の商取引や輸出入に関する規制をクリアしなければいけません。
また、効果的なブランディングとマーケティング戦略が必要となり、地元の競合他社や国際ブランドとどのように差別化を図るかが鍵となるでしょう。
ここでは、日本の自動車業界で中国進出を成功させた企業の事例をご紹介します。全国チェーンの大型自転車専門店、サイクルベースあさひを展開する株式会社あさひは、2010年3月5日より中国北京に「愛三希(北京)自転車商貿有限公司」の現地法人を設立(※1)。
また、大手自転車メーカーのブリヂストンサイクル株式会社は、国内の生産拠点である騎西工場を閉鎖し、中国工場を開設。生産性の向上と競争力の強化を図りました(※2)。
自転車の供給不足が続く中国において、日本の自転車業界が進出するのはシェア拡大のチャンスだといえます。
そのためには、各メーカーとの差別化や中国人ユーザーのニーズの把握、綿密な計画が求められます。
中国進出支援に特化しているコンサルタントファームは検索結果で調査できた限りでは全部で46社。
46社の数ある中国進出コンサルファームの内、日本国内に相談窓口を置き、なおかつ中国現地にも拠点を持っている、
いわば‟中国の今を知る“心強いパートナー候補となりうる会社は11社でした。
さらに、11社をカテゴライズしていくと、2022年9月現在では3つの進出市場の支援がにぎわっているようです。
まずは、それぞれのメリット・デメリットをご紹介します。
中国版Tiktokなどにおいて、ブランド公式アカウントや動画コンテンツ内での公式ECショップ出店、独自の動画コンテンツ発信で知名度を高めるとともに、「ライブコマース」による販売拡大 (8000億円上振れ市場)。
新しい販売チャネルで中国での
製品知名度を上げ、戦略的に中国での販路拡大をしたい中堅企業
中国国内ECプラットフォームにおいて高いシェア率を誇るタオバオや、97.4兆円以上の市場を持つTmallなど、大手ECモールへの出店をサポートし、販売拡大を実現してくれます。
市場で埋もれない独自性のある
製品を取り扱う、広範戦・遠隔戦で中国の市場を席捲したい企業
飲食店や物販店に限らず、IT・金融商品やサロンなど、自社サービスを現地で提供するために法人を立ち上げたり、実店舗を出店したりして事業展開を行う企業をサポートしてくれます。
物販以外のサービス拡大を現地で腰を据えて、中国現地密着型で
着実に事業拡大したい大手企業
【上記のカテゴリーでそれぞれ選定した会社とその基準】
2022年6月22日時点、「中国進出支援」でGoogle検索して表示されたコンサルティングファーム全て(46社)を調査。その中で日本にも中国にも拠点を持ち、日本人・中国人コンサルが在籍する中国進出支援に対応しているコンサルを選定(11社)。その中から中国進出支援範囲が広いコンサルファームを各カテゴリーに振り分けました。
・ポリスター:支援項目37つ
・パル:支援項目21つ
・トータルソリューション:支援項目21つ