中国の靴市場は縮小傾向にあるとされますが、日本からの輸出比率においては変わらず中国が大きなシェアを獲得しています。これから日本の靴業界が中国に進出するにはどのようなことが必要であるか、課題やメリットから解説する記事です。
中国市場における2022年の靴業界は、縮小傾向にあるとされています(※1)。中国は世界でも名だたる靴生産国でしたが、近年では市場は低迷しており、中国国内でも倒産する靴メーカーが少なくありませんでした(※1)。ただし倒産した靴メーカーは、海外輸出用の受託生産を行っていたメーカーがメインです。
そして2021年度における日本の革靴輸出率調査では、中国25%・台湾22%・香港8%のシェアを誇りました(※2)。日本の革靴の約半数は、中国・台湾・香港に輸出されていると言えます。また2020年度から2022年度第1四半期におけるエチオピアから中国への靴輸出額は大きく減少しました(※3)。
以上のことから、中国では比較的品質の高い日本の革靴のような靴や中国製の靴が多く購入されるようになり、輸出よりも国内需要のための生産が盛んになっているのではないかと考えられます。
日本の靴業界が中国に進出するメリットは、世界における靴の生産拠点となる中国・イタリアとの差別化がしやすいことです。日本では東洋の感性を活かしながら、品質の高い靴を作る技術が育まれていると言えます。同じ東洋である中国で受け入れられやすく、かつイタリア製の靴よりも独自の感性を持つ製品を作りやすいことがメリットです。
また日本はマイクロファイバーや不織布などの繊維製品の技術に優れています。そのため靴に繊維製品を用いることで、独自の個性を追求することもできるかもしれません。中国の人々にその感性が受け入れられれば、大きな市場となるはずです。
日本の靴業界が中国に進出するにあたって、課題となることもあります。それは中国の靴ブランドにおいて研究開発力が強化され、中国国内の若者の心を掴んでいることです。さらに最近の中国では、3Dデジタル設計により靴の生産サイクルを大幅に短縮しているといいます。
その影響で、ナイキやアディダスなど、スニーカーの大手ブランドも中国では交代しているとされるほどです。日本企業においても、中国の靴製造の発展を加味した上で戦略を練らなければ、中国の靴ブランドに遅れをとってしまう可能性も否定できません。
それでは最後に、日本の靴業界で中国進出を成功させた企業の事例をご紹介します。株式会社ムーンスターは子供靴・紳士靴・婦人靴の製造・販売を行っている企業で、2005年から中国での輸出販売を開始しました。2023年7月源氏亜では、中国での実店舗は約100店舗にものぼるそうです(※1)。
中国に進出してからECページの誘導バナーを活用し宣伝したところ、前年比約3倍もの売上を達成しました。今後は中国の一人っ子政策が解除されたことを機に、さらなる子供靴売上拡大に臨んでいきたいと考えています。
中国では国内の靴メーカーが倒産に追い込まれた現実もありましたが、日本からの輸出データによると変わらず高いシェアを誇っています。日本人の感性は世界における靴生産拠点である中国・イタリアとは違う独自のもので、感性を活かして販路を掴むこともできるはずです。
しかし最近では、中国国内において自国ブランドの人気が高まっています。日本の靴業界が中国に進出して成功を収めるには、中国進出支援のサポートを得て、確かな戦略を練った上での進出が望まれます。
中国進出支援に特化しているコンサルタントファームは検索結果で調査できた限りでは全部で46社。
46社の数ある中国進出コンサルファームの内、日本国内に相談窓口を置き、なおかつ中国現地にも拠点を持っている、
いわば‟中国の今を知る“心強いパートナー候補となりうる会社は11社でした。
さらに、11社をカテゴライズしていくと、2022年9月現在では3つの進出市場の支援がにぎわっているようです。
まずは、それぞれのメリット・デメリットをご紹介します。
中国版Tiktokなどにおいて、ブランド公式アカウントや動画コンテンツ内での公式ECショップ出店、独自の動画コンテンツ発信で知名度を高めるとともに、「ライブコマース」による販売拡大 (8000億円上振れ市場)。
新しい販売チャネルで中国での
製品知名度を上げ、戦略的に中国での販路拡大をしたい中堅企業
中国国内ECプラットフォームにおいて高いシェア率を誇るタオバオや、97.4兆円以上の市場を持つTmallなど、大手ECモールへの出店をサポートし、販売拡大を実現してくれます。
市場で埋もれない独自性のある
製品を取り扱う、広範戦・遠隔戦で中国の市場を席捲したい企業
飲食店や物販店に限らず、IT・金融商品やサロンなど、自社サービスを現地で提供するために法人を立ち上げたり、実店舗を出店したりして事業展開を行う企業をサポートしてくれます。
物販以外のサービス拡大を現地で腰を据えて、中国現地密着型で
着実に事業拡大したい大手企業
【上記のカテゴリーでそれぞれ選定した会社とその基準】
2022年6月22日時点、「中国進出支援」でGoogle検索して表示されたコンサルティングファーム全て(46社)を調査。その中で日本にも中国にも拠点を持ち、日本人・中国人コンサルが在籍する中国進出支援に対応しているコンサルを選定(11社)。その中から中国進出支援範囲が広いコンサルファームを各カテゴリーに振り分けました。
・ポリスター:支援項目37つ
・パル:支援項目21つ
・トータルソリューション:支援項目21つ