中国の保険市場は世界の中でも大きく、さらに対外開放の拡大や健康リスクへの意識の高まりにより、今後さらに拡大していくと予測されています。そこで今回の記事では、保険業界が中国に進出するメリットと課題について解説します。
中国の保険市場は2019年時点で全世界において第2位の規模※1を誇っていました。アメリカに次ぐ規模で世界合計に占める割合は9.81%※1と、日本の7.30%※1を上回るとの報告があります。また保険料は2018年度より7.4%の増加※1となり、世界の保険市場規模ランキングTOP10内の国の中で最も拡大しました※1。
その後、2020年には4.5%の減少※1となりましたが、2022年には回復する予測であるとの報告です。2022年における中国市場の保険業界データは見つかりませんでしたが、2021年に中国では保険業界の対外開放を拡大したため、実際に2022年になり市場が拡大したのではないかと考えられます。
※2022年の中国における保険業界のデータは見つかりませんでした。記載した2022年度の記載については、あくまでも予測です。
日本の保険業界から中国に進出するメリットとしてあげられるのは、中国の企業を合弁相手をとして選ぶことで事業展開が容易になることと、対外開放が進められて外資系企業が参入しやすい環境であること、そして新型コロナウイルスの感染拡大により健康への意識が高まったことの3つです。実際に日本生命や住友生命は中国企業を合弁相手とし、中国での販売チャネルの確保やネームバリューの活用などのメリットを得ました。
そして2021年に対外開放が進められたばかりであり、新型コロナウイルス感染拡大が落ち着いた直後である中国では、今が進出に絶好の機会だと言えます。中国では日本以上に高齢化が進んでいることもあり、今後、さらに健康リスクに備えたいと考える人は増えるものと推測できるためです。
日本の保険業界が中国に進出する際の課題は、良い合弁相手を見つけなければならないこと、中国の保険業界における人材が育っていないことなどがあげられます。
中国において合弁相手を見つけることは、中国の保険市場や消費者の意識、文化への理解を得るために大切です。合弁相手の選択次第で経営状況が大きく変わることも考えられます。さらに中国の人材が、保険についての知識をあまり持っていないことが多いことも大きな課題です。中国の保険市場は急成長したため、市場規模に人材のスキルが追いついていない現状があります。
日本の保険業界で中国に進出し、成功をおさめた企業として代表的なのは日本生命保険と明治安田生命保険です。日本生命保険では2003年に中国の電気メーカーである上海広電集団有限公司と合弁し※1、中国へと進出しました。上海や浙江省、北京市、四川省、山東省などに支店を置き、2017年には保険料収入が18億元※2に達したそうです。
そして明治安田生命は、2002年に北京大学により運営される北大方正グループや、家電事業を展開するハイアール・グループと合弁会社を設立しています。2017年の保険料収入は日本生命保険を上回り、20億元※2となりました。
中国の保険業界は世界の中でも大きく、過去に中国進出をして成功をおさめた日本企業もあります。対外開放と新型コロナウイルス感染拡大による健康リスクへの意識の高まりに伴い、2023年現在、保険業界にとっては中国進出のまたとない機会だと考えられます。
しかし合弁相手を見つけなければならないなどの課題もあるため、中国進出支援サポートを受け、体制を整えてから進出へと踏み切るのがおすすめです。
中国進出支援に特化しているコンサルタントファームは検索結果で調査できた限りでは全部で46社。
46社の数ある中国進出コンサルファームの内、日本国内に相談窓口を置き、なおかつ中国現地にも拠点を持っている、
いわば‟中国の今を知る“心強いパートナー候補となりうる会社は11社でした。
さらに、11社をカテゴライズしていくと、2022年9月現在では3つの進出市場の支援がにぎわっているようです。
まずは、それぞれのメリット・デメリットをご紹介します。
中国版Tiktokなどにおいて、ブランド公式アカウントや動画コンテンツ内での公式ECショップ出店、独自の動画コンテンツ発信で知名度を高めるとともに、「ライブコマース」による販売拡大 (8000億円上振れ市場)。
新しい販売チャネルで中国での
製品知名度を上げ、戦略的に中国での販路拡大をしたい中堅企業
中国国内ECプラットフォームにおいて高いシェア率を誇るタオバオや、97.4兆円以上の市場を持つTmallなど、大手ECモールへの出店をサポートし、販売拡大を実現してくれます。
市場で埋もれない独自性のある
製品を取り扱う、広範戦・遠隔戦で中国の市場を席捲したい企業
飲食店や物販店に限らず、IT・金融商品やサロンなど、自社サービスを現地で提供するために法人を立ち上げたり、実店舗を出店したりして事業展開を行う企業をサポートしてくれます。
物販以外のサービス拡大を現地で腰を据えて、中国現地密着型で
着実に事業拡大したい大手企業
【上記のカテゴリーでそれぞれ選定した会社とその基準】
2022年6月22日時点、「中国進出支援」でGoogle検索して表示されたコンサルティングファーム全て(46社)を調査。その中で日本にも中国にも拠点を持ち、日本人・中国人コンサルが在籍する中国進出支援に対応しているコンサルを選定(11社)。その中から中国進出支援範囲が広いコンサルファームを各カテゴリーに振り分けました。
・ポリスター:支援項目37つ
・パル:支援項目21つ
・トータルソリューション:支援項目21つ